January
流れるメロディーは君が大好きな音楽
先輩…その…
恥ずかしそうな声が機会を通じて耳に流れ込む
カウントダウンだよ。
照れ屋な君に勇気をくれる声がテレビから聞こえる
最初に……
カウントダウンを呟く合間に、小さな囁きが漏れた
あけましておめでとう
カウント0に二人で今年最初の挨拶をして
先輩の最初は俺がよかったんです……
恥ずかしそうな声で可愛い言葉をくれた君
慌てて切られた回線の向こう、真っ赤になってる君へ
俺も今年最初に君と話す人は俺がよかったんだ
物言わぬ機械に口吻とともに伝えよう
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February
甘い…眉を寄せて顔を顰めて呟く俺。
甘いのを選んだんですから当たり前っす。そう楽しそうに呟く君。
そんなに俺を苛めて楽しい?苦笑混じりに呟いてみたら
いっつも苛められてるから仕返し。
楽しそうに教えてくれた。
苛めてたわけじゃないんだけど…困ったように笑えば
嘘付け。そっけない返事が返ってくる。
本当だって。口の甘さを誤魔化すために、口の中をモゴモゴさせながら言い訳する。
甘い?俺の仕草に気付いて声をかけるから
すっごく甘い、と即切り返してみれば、君は楽しそうに笑う。
口直しいります?
是非。
君の有難い申し出を受け入れたら、柔らかい唇が降ってきた。
やっぱり俺はこの甘さが一番好き。
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March
苦っ!顔を顰め、睨みつける君。
そりゃ、甘くないの買ったからね。
クスっと笑って答えれば、君は怒ったように睨んでくる。
仕返しっすか?
機嫌の悪そうな声。
まさか!とんでもないと驚いたような仕草で君を見つめる。
じゃあ、何で?
薫を見習おうと思って。
額をくっつけて囁けば、ようやく意味を理解してくれた君。
口直しする?
眦に唇を寄せて、囁けば、擽ったそうに身を捩る。
スル
心持ち顔を上向きにして、瞳を閉じる君に。
口直しに、甘いキスをしてあげる
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April
眠る君の髪を梳きながら、不意に微かな笑みが零れた。
何?
寝ていたと思った君は起きていて俺を見つめる。
ちょっとね…そう丁度、君と出逢って一年。その頃を思い出しただけ。
予感がね。君の頬を擽りながら呟けば
予感?目を細め訊ねてくる。
そう、予感。君を見たとき、どうしようもなく瞳を奪われた。
その瞳、犯罪だよ。俺を捕らえて離さなかったからね。
あなただから…そっと囁く。
俺もあったっすよ、予感。あどけなく笑って
あなたがずっと見てたから、あなただけを捕らえてた。
あの日と変わらない瞳で見つめる。
参った!
すっかり俺はその瞳に魅入られているらしい。
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May
少しだけ凹んでるんだ
だから、君に逢いに行くことが出来ないんだよ
何でっすか?
どうして君が泣きそうな顔をするのだろう?
そういう時に傍にいなくて、どうして恋人だなんて……
ギュウッと握り締める手が震えてるね
君に弱いところを見せたくないんだ
君に呆れられたくないんだ
どうして、そんなことで呆れたりしない
言い切れるのは君の強さだよね
どんなあなたでも俺は好きだから
そうだね、俺もどんな君でも好きだよ。それと同じなんだね。
何で、そんな簡単なことがわからないんですか?
何でって、それだけ君に溺れてるからだよ。
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June
静かな部屋に聞こえる微かな雨音。
それは部活のない証拠で、隣には不満気な恋人。
つまんなさそうだね。
じっと窓の向こうを見つめる君によっぽど俺のほうがつまんなさそうに呟く。
だって…テニス出来ない…
なんて君らしい言葉。
その気持ちはわからなくはないんだけどね。
ね?俺を雨に妬かせたいの?
俺の言葉にキョトンとする君を引き寄せ腕に閉じ込める。
こんな雨の日くらい、俺のこと見て欲しいんだけどね。
拗ねたような口調で呟いてみれば、キョトンとした顔がみるみる可笑しそうに笑みを作る。
バカ…雨の日じゃなくても、いつもアンタのこと見てる。
やっぱり、殺し文句は君のほうが得意だね。
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July
何、書いたの?
サラサラと丁寧な字で短冊に願いを書く君
先輩は?
自分の短冊を隠して、君は俺の願いを聞いてくる
そんなの一つしかないよ。俺の願いは一つだけ
俺も、一つだけっす。
その一つが俺と同じだと嬉しいんだけどね
俺の願いはね……
はい
耳を寄せてくる君にとびっきりの甘い声で答えてあげる
声とともに落とした唇に、吃驚した君が落とした短冊
ずっと一緒にいられますように
同じ願いに嬉しくなった七夕の夜
ねぇ、どうせなら一緒に叶えよう
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August
良い場所があるんだよ。
その誘いにのってきた君は俺の隣で目の前の大輪の華に魅入っている。
綺麗…
うっとりと呟く君は、もっと綺麗で俺は俺だけの華を見つめた。
花火…見ないんっすか?俺の視線に気付いた君が気まずそうに尋ねる。
花火より綺麗な華があるからね。そう言って笑う俺に君は不満そうな顔。
へぇ…そんな人がいるなら、その人と見ればいいじゃないっすか。
ぶすくれた声を出す君に、中途半端な誤解を解くために、俺は君の口元に唇を寄せる。
見てるよ、綺麗な華を綺麗な人とね。呟く俺に君は真っ赤になった。
でもね、どうせならさ…
君が好きな、とっておきの甘い声を耳に吹き込む。
何?ピクンと体を震わす君は、何より綺麗な華。
その君をこの手で咲かせる。
それが何よりもの、俺の楽しみ。
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September
今日は十五夜だよ。
窓から入ってくる柔らかい光で君を誘った。
眠そうな君はそれでも俺の声に窓に視線を向ける。
月…好き…
眠くて思うように動かない体が億劫なのか、俺の胸の上に凭れかかる。
へぇ…俺の胸に顔を埋めて、じっと窓の外の月を眺める君の柔らかい髪を指で弄ぶ。
月のどこが好き?
聞いたのはほんの少しの好奇心とくだらない嫉妬から。
月に嫉妬したなんて、プライドが許さないから伝えないけどね。
ん…月って…先輩みたい…だから…
意識の半分は夢の世界。
凄く好き…
そう囁いてスウッと眠り込んだね。
ほんと、君は俺を喜ばせる天才だ。
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October
どれがいい?
俺の前、君は呆れたように俺を見る
どうしたんですか、これ?
目の前の衣装は君のお気に召さなかったようだ
ハロウインだから
たまにはこんなのもいいかと思うんだよ
何、一人ではしゃいでいるんですか?
今日の君は、とても冷静だね
先輩が暴走し過ぎてるんですよ
そう言いながらも、付き合ってくれるんだよね
そういうとこも好きですから
有難う
どうしようもない俺に惜しまない愛をくれる
君がとても好きなんだ
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November
楽しいですか?
黙ったままの俺に問いかける声は少し不安そう
楽しいよ。
俺の視線はまだ君のアルバムに釘付け
七五三…そうだね、これを見る原因はそれだった
緊張してるね。
着物を着た君は緊張してるのかカメラを睨んでいる
先輩は?
悩みながら口にしたのか、君の声は少し震えていた
行事はほとんど経験ないんだ。したいと思ったわけじゃなしね
少し強がってみたけど、君は簡単に騙されてはくれない
七五三はもう無理っすけど…
抱き締めてくれる君の優しさにホッとする
行事ごとを全てやりつくすよりも、君がいればそれでいい
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December
早いよね。もうすぐ年が明ける。
君と過ごした一年がとても早く過ぎていった。
そっすね…
今日の君は少しセンチメンタルで俯きがちに掠れた声で呟く。
そんな顔するなよ。君が何を不安に思っているかは知っているけど。
このまま…
ギュウッとしがみついてくる君は、未来への不安に怯えている。
来年も、その次も、薫はココにいるだろ?
手離す気はないんだよ、ゴメンね。
…ココしかいる場所ない…
頬をすり寄せて可愛い言葉を紡いでくれる。
ココ以外には行けないようにしているから。
君を強く抱き締めて、そっと囁く。
俺がいないと生きていけない君にすること、それが俺の一年間の計画。
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先輩…。無音の闇に、響く泣き出しそうな声。
どうした?縋りつく腕を優しく撫でさすってあげる。
夢…先輩が…いない…、カタカタと小刻みに震える体。
俺はいるよ。大丈夫、君の傍にずっといる。優しく抱き締めて、安心出来る様に落ち着くまで。あやす。
でも…初夢…叶うって…ギュウッとしがみついて、震える声が鼓膜を打つ。
違うよ。携帯を二人の間に入れて、開いてみせる。
あ…!?びっくりしたような声の後、嬉しそうにはにかんで見せる君。
ね、まだ初夢じゃない。これは最後に見た夢だから絶対に叶わないよ。
はい。幸せそうに微笑んで、俺の胸の中で目を瞑る。
きっと君と俺の初夢は一緒。
二人で道を紡いでいるはず。
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甘い夜の後、疲れる体を叱咤して起きる君。
寝ていいんだよ?と囁く俺は、まだ部屋に残る空気を堪能したくて、髪を梳き、頬を撫で、顔中に口吻を落とす。
それ凄く好き。眠い目を擦りながら、トロンとした瞳で俺を見つめる。声はいつもより幼く舌足らずでかすれている。
ずっとしててあげるから。寝れるように瞼に口吻を落としてあげた。
うん…ね…好き…零れるような微笑を見せて、スウッと眠りに落ちる。
俺も、凄く好き。最初の夜に、最高の言葉をくれた君も滅多にみせない笑みを贈ろう。
本当に思ってるんだ。
最後の夜も最初の夜も、一緒にいるのが君でよかったって。
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