Animal Company



不思議なワンコとニャンコのハルとカヲ。
彼らにも実は仲間がいる。大体のことは予想がつくと思うが……
今回はそんな二匹の仲間を数匹だけだが紹介しようと思う。
ピ〜ンポ〜ン
朝から家に響く軽やかなチャイムの音。

「はい」

バタバタとドアを開けるのは大体が海堂のほう。

「チッス」
「越前…何しにきた?」
「遊びにっす。モモとリョウを連れてきたっす」
「リョウってことは、あのバカもいるのか?」
「いないっすよ。リョウとは途中で逢ったので」

越前の腕には桃城そっくりのワンコ、モモと足元には越前そっくりのニャンコ、リョウ。

「入れ」
「お邪魔します」

海堂が部屋に通すと、リョウが嬉しそうに走っていく。

「ハル〜」
「リョウ?」
「ハル、あそぼ〜」

リビングのドアから玄関の様子を眺めていたハルとカヲ。
リョウがハルの姿を見つけて、走り飛ぶ。

「うわぁっ」

勢い良く飛び込んできたリョウを受け止めきれずに、一緒に倒れこむハル。

「わ〜、リョウ!!なんで、ハルがいいんだよ〜」
「にゃ〜、ハルはカヲのにゃ〜、はなれるにゃ」
「やだね」
「おも…ぃ…おもいよ…」

倒れたハルの上にのっかかって、ペロペロとハルの顔を舐めるリョウ。
それを引き剥がそうとする、カヲとモモ。
おかげで、三匹の体重を一匹で引き受けることになったハルは半泣きで助けを求めていた。

「ん?…ハル?お前ら…」
「乾先輩、お早うっす」
「え、越前?ぅ…わぁ〜っ」

やっと騒ぎに気付いた乾がリビングから出て、ハルの状態に気付いて助けようとしたが、飛び込んできた越前に驚いて、咄嗟のことに踏ん張れずに一緒に倒れた。

「先輩、ハル、大丈夫っすか?お前ら、いい加減離れろ!!」

唯一、立っている海堂が、ペリペリと引き剥がしていき、一番下の乾とハルを助け起した。

「有難う、助かったよ」
「ありがとう」
「いいっすよ。それより、あいつら」

ギッと海堂が睨みつける先、越前は気にすることもなくリビングに入っていき、カヲとリョウは

「ハルはカヲの〜、リョウはさわっちゃだめ」
「カヲのなんて、だれがきめたの?かってにいってるだけでしょ」
「そんにゃことにゃいもん。はるはかおるのなんだから、ハルだってカヲのにゃ」
「ハルはどうなのさ。ハルがそうおもってるかきいたことあんの?」

と、喧嘩していて、モモはそんな二匹の前をウロチョロしていた。

「ハルはどうなんだ?」
「う…わかんない…」
「だろうな」

カヲとリョウのバトルを眺めながら、乾がハルに訊ねるが、ハルは首を傾げるだけ。
乾そっくりのハルは天然的な鈍さもそっくりだった。

「カヲもリョウも、喧嘩しない」
「いぬいさん、おれのかいぬしにならない?」
「ダメ、はるはカヲのだもん」
「桃がダメっていうだろうからね」
「む〜、あんなのほっとけばいいのに」
「同感っす。海堂先輩、モモとハル交換しません」
「冗談じゃねぇ、あのバカそっくりな犬貰っても嬉しくねぇよ」

廊下で話していても仕方ないので、全員でリビングに戻る。
既にソファに座って寛いでいた越前が、話を聞いて、海堂に交換を持ちかける。
が、モモは前述の通りに桃城そっくりの犬。
桃城とは仲の悪い海堂にモモとハルの交換を持ちかけても結果は見えていた。
勿論、どんな犬とでも交換するつもりはないだろうけど。

「チェッ」
「越前も、モモが可哀相だろ」

オロオロするモモを見て、乾が嗜める。

「は〜い」

気にする風もなく越前は、間延びした声を出す。

「お前たちも四匹で仲良く遊ぼうな」
「はるがいうにゃら」
「しかたないね」
「うん、みんなであそぼう」
「あそぶっす」

ワンコのハルとモモは仲良くハルとカヲの遊び部屋に行き、ニャンコのカヲとリョウは言い合いしながら、遊び部屋に向った。

「あ〜、折角の休みなのにな…」

もう、既にこの後の状況を予測して、乾が疲れたような声を出す。

「休みの日にまで、何でバカの顔を見なきゃいけねぇんだ」

海堂も嫌そうに溜息を吐いた。

「来なくてもいいんっすのに…」
「「お前とリョウが来るからだろ」」

越前の言葉に、海堂と乾がそろって声を出す。

「あの人、ウザイっすよ」
「お前、幾らなんでも可哀相だろ」
「あのバカと付き合ってんだろ」
「煩いからっすよ」

越前の物凄い言いように、二人して深い溜息を吐く乾と海堂。

「それ、桃には言うなよ」
「言ったら、より煩いじゃないっすか。そんなことしないっすよ」

そっけない越前の言葉。
絶対に桃城にだけは聞かせるわけにはいかないと乾と海堂。
二人もまた、その後の弊害がくるのを遠慮したいだけだった。

「はるたちもあそぼう?」
「ああ、今行くよ」

ハルが呼びにきたので、皆で遊ぶことにした三人。
子供用の室内でのブランコやらジャングルジムとかが置かれてる、ハルとカヲの遊び部屋で仲良く遊ぶ三人と四匹。
その楽しい時間も、急激に破られることになる。

「リョ〜ッウ!!」

叫びながら部屋に入ってきたのはリョウの飼い主桃城。

「お前、ちゃんと出かけるときは声をかけろって言ってるだろ」
「…いたいって」
「って〜」

走りこんできて、リョウに抱きつく。
抱きつかれたリョウは桃城のバカ力で痛いらしく、桃城の顔を爪を立てて引掻く。

「てめぇ、いい加減で勝手に入ってくんのやめろ」
「っだ〜、何すんだよ」

チャイムも鳴らさずに勝手に入ってきた桃城に怒って、近くにあった絵本で思い切りぶん殴る海堂。

「桃先輩が悪いっすよ」
「リョウが心配なのもわかるがな、ちゃんとすることはしろよ」

海堂に食って掛かろうとする桃城に、越前と乾が呆れたような冷たい声が飛ぶ。

「っ……スンマセン」

一応、恋人…桃城の自称の越前と先輩の乾に言われては、流石の桃城も大人しく謝る。

「もう、帰るのか?」

大体、いつも桃城が来たところで帰る越前とリョウとモモ。

「っす。時間もいい頃だし、帰るっす」
「いつもいつも、スンマセン」
「リョウいじめんな」
「にゃ、モモがちゃんとつかまえにゃいからにゃ」
「ハル、またあそぼうな」
「うん、またね」
「煩いから、もうくんじゃねぇよ」
「もう少し、静かにな」

騒がしく去って行く、桃城と越前たち。
ようやく静かになった家に、海堂と乾はほっと息を吐く。

「ハル〜」
「なに?」

カオはさんざ、ハルの取り合いをしたために、今はハルにべったりと張り付いていて、ハルはわけがわからないという顔をしている。

「やっぱり似てるな」
「え?何がっすか?」

そんな二匹の姿を見ながら可笑しそうに話す乾に、海堂はキョトンと乾を見る。

「あっちも仲良くしてることだし、俺たちも向こうで仲良くしないか?」

ベターっとハルに張り付くカヲを見て、乾がこっそりと海堂に囁く。

「……仕方ねぇな」

海堂もそっちを見た後、ハァと溜息を吐く。

「いっすよ」

そっと乾に耳打ちをする。
そして、二人はこっそりと自分たちの部屋に向った。

Fin