家庭教師と生徒の話とか…
「俺は、家庭教師なんかいらねぇんだよ」
強気な瞳をさらにきつくして睨みつけてくる生徒に、乾は冷笑を浮かべる。
「君がいらなくても、周りは必要と判断したんでしょ?」
テニスだけじゃ世の中、生きていけないよ。
「俺も、やりにくい仕事はしたくないんでね」
楽しくいこうよ、ねぇ?
彼の浮かべる笑みに、底知れぬ何かを感じた海堂の足が1歩後ろへ下がる。
「てめぇがやめればいいんだろう」
何が楽しくいこうだ、ふざけんな。
それでも気の強い海堂は、キッと家庭教師を睨みつけたまま吐き捨てるような言葉を吐く。
「中々、気性の荒い猫だね」
「誰が猫だ!!人を動物扱いしてんじゃねぇよ」
「動物だよ。君も、俺もね」
人間なんて、野蛮な動物以外の何物でもないよ。
海堂の髪に触れて、楽しそうに微笑む。
「大人しくしててくれたら、こんなことするつもりはなかったんだけどね」
「何…する気だ、あんた?」
「何って、言うこと聞いてもらおうと思って」
クスクスと喉を震わせて、話す彼に恐怖を覚える。
「ほんとはこんなことしたくないんだけど、俺も割りのいいバイトはなくしたくないんでね」
変わりに、自分から望むくらいに気持ちよくしてあげるから。
「忘れられない、痛みをあげるよ」
ゾっとするほどの微笑を浮かべて、乾は海堂を組み敷いた。
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