TRAP  -序章-



「ああいう、ストイックていうか、清廉なタイプって徹底的に堕としたくなるよな」

冷笑を浮かべ呟く乾。
その言葉のままに、その天才的な頭脳で持って近づき、貶める。
一人目の生贄は…

「手塚、ここ最近、疲れてない?」

体調を心配する友人の仮面をつけて、近づく乾。

「ああ、少し体がダルくてな…」

何もわかってない手塚に、乾は内心ほくそえむ。
より、楽しめると…

「俺なら、その疲れを取ってやれるよ」

何も知らない手塚。
その疲れの意味も、俺の思惑も。
無垢で、清廉で、冷たい手塚。

「そうか?」

信じるお前の信用を地に落して、同時に、お前自身を堕とす。

「ああ、俺に任せとけ」

最高の羞恥と快楽を…
お前の知らない、浅ましいお前を曝け出してやるよ。


一年後

「はっ…乾…っ」

堕ちた手塚を見つめる熱い視線。

「なぁ、手塚」

お前に宗教的に近い憧れを抱くあいつらに、この姿見せてやりたいよな。
耳元で面白そうに囁く乾。

「きさま…っ!!ああっ…」
「こんな姿見たら、どう思うだろうな?」

幻滅するか、恋情に欲情を覚えるか…
ああ、でもやっぱり…

「お前と同じ匂いがする」
「なに…っを…」

あの子だけは、この手で堕としたいな。
脳裡に描く、一つしたの凛とした少年。
まだ、恋情すら抱けないほどに手塚に心酔してる子供。


二人目の生贄が決まった瞬間


「海堂」

優しい先輩の仮面を被って、乾が海堂に近づく。
乾の見つけた二人目の生贄。
禁欲的な雰囲気の少年。

「何っすか?」
「海堂さ、ラケット振るとき…」

テニスが大好きな海堂。
彼の興味はテニスと、テニスの上手い人。
単純な子供。
だから、どうすれば彼が自分に懐くかも、心を開くかも手に取るように理解できる。
まだ、気付かない恋情も、眠る淫猥な姿も全て俺が暴いてあげる…

Fin