ある日の部室。
そこには時間の都合か、はたまた作者の陰謀か3年レギュラーの6人しかいなかった。
「手塚、ここなんだけどな…」
「大石、部室来てまで勉強なんてさ〜」
「少しは、大石を見習え」
部室では手塚と大石が向かい合わせに座り、勉強を、大石の横に座る菊丸はその邪魔を、河村をそれを微笑ましそうに見つめていた。
手塚の横では、乾がいつも通りにデーター整理に勤しみ、不二は何故か部室の窓と黄昏ていた。
「……あのさ……」
窓の外を眺めていた不二が部室を振り返り、誰にともなく呟く。
「どうしたの?」
全員がその声に不二を見、河村が代表して穏やかな声で問いかける。
「僕、最近ね…」
いつもと変わらない優しい声。
けれど、続く言葉は裏腹に恐怖を感じる台詞だった。
「人をころ―」
「………………」
あたりを重い沈黙が包み込む。
不二と他の面子との間に走った、僅かな緊張。
「…いや…やっぱいーよ…」
沈黙を破った不二は、話を止め、溜息を吐きながら窓を見る。
(『ころ』……!? ……ス……?!)
(『ころ』なんなんだよ1?)
(遠い目している場合じゃないぞ、貴様!!)
不二の言葉に、顔面蒼白になって固まっている、大石・菊丸・手塚の三人。
「不二、悩みがあるなら相談してね。あ…俺じゃ相談にならないかもしれないけど…」
「有難うタカさん」
(タカさん(泣))
(天然、天然二重人格!?)
(河村、不二に洗脳されきっていたか…)
一人、わかってない河村に容赦なく入る、心の中の突っ込み。
けれど、彼らは何もわかっていなかった。
この後、さらに彼らを恐怖に陥れる存在を……
「不二、それは先週のアレ……のことかな?」
眼鏡をクイッと持ち上げて、ノートを捲りながら呟く乾。
その乾の淡々とした声が部室に響いた瞬間、ピシッと言う音が聞こえた。
「ヤだな、乾。見てたんなら声をかけてくれたらよかったのに」
「いや、あれは俺が出たら邪魔になるだけだろう」
「流石だね、乾。アレだけでアレが何かわかってるんだ」
「取りあえず、俺が手を出して問題ないか、どうかの判断はつくよ」
(『アレ!?』……何?何のことなんだ?)
(頼むから、中学生らしい会話してくれよ〜(泣))
(何故、この部に地球外生命体が2人も入ったんだ…)
彼らにはさっぱりわからないが、どこか恐ろしい話をススメているらしい二人に、三人は来年も同じ高校に行かないと行けない自分の不運を呪ったという。
そして
「不二も乾も、難しい話ししてるよね。流石だな」
不二に洗脳されたのか、はたまた天然なのか、河村はこの部室に立ち込めてる禍々しい空気に気付くことなく真剣に二人の会話に感心していた。
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