LoveLoveLove Side:I



―好き―
言葉にすれば簡単なのに、その想いは、そんな言葉では言い表せないほど深く、どうしたら君に上手く伝えることが出来るだろうか?


夜、君が眠ったのを確認してから、上半身を起す。
このまま、抜け出してパソコンに向えば、君はいずれ気付いて怒るだろう。
君が本気で心配しているからなのは知っているけど、その心配が君が俺を想ってくれる深さだってわかるから、嬉しいんだって知ったら、君は余計に怒るだろうね。
いつもなら、データーの整理に抜け出すけど、今日はそんな気分じゃないから、このままあどけなく眠る君を見つめる。
瞳を閉じれば、途端に幼くなる顔。
いつもは、何よりも印象的な強い瞳が隠れている。
最初に惹かれたのは強い瞳。
それから近くに寄って、その瞳に負けない強い意志に陥落させられた。
そおっと、起さないように輪郭をなぞる。

「好きだよ」

言葉にすれば何て陳腐なものなんだろう。
秘めたる想いは、もっと深いというのに。
この想い全て、君に伝わっているのだろうか?

「愛してる」

最上級の愛の告白。
それすらを凌駕するほど、俺の想いは膨れている。
この想い、全てを伝える術はあるのだろうか?
伸ばした手を滑り落として、規則正しく上下する胸に置く。
手に伝わる、体温。
確かに生きていると伝える鼓動。
もっと、しっかりと確かめたくて、手を離して耳を押し当てる。
聞こえる、音。
自分よりも暖かい体温。

「海堂」

こんな俺でも人を愛せるのだと、教えてくれた君。

「薫…」

誰よりも愛しい人。
最初で最後の君に

「好きだよ」

こんな俺を好きだと言ってくれる。
愛してくれる。
俺の本当の姿を知っても、傍にいてくれた。
君がくれたたくさんのもの。
言い表せないほど、感謝している。
感謝しても、したりない。
伝えきれない、感謝の言葉。
溢れ続ける、君への愛しさ。
何度でも伝えるから。
君に理解してもらえるまで、伝え続ける。
君が望むだけ、伝えるから。
どうか、俺が君の傍にいるのを許してください。


「愛してる」

そう君に伝える時、涙が零れそうになるのを、君は知らないだろう?


君を想うと、ないと思っていた涙が溢れる。
ほら、今も……


人を深く想うことで、涙が出ることを知った、甘い夜。

Fin