海堂と乾が付き合い始めてから、乾の家に海堂専用の物が増えた。
例えば、スリッパ。
可愛い物が好きな海堂のために、乾がわざわざ選んできた、可愛い猫の足型の靴のように履くタイプの毛でモコモコしてるやつだ。
それとは逆に、絶対に増えない海堂専用の物もある。
何かと言うと、パジャマだ。
パジャマだけは、海堂が持ってきても使うことなない。
何故か?って、それは乾が自分のパジャマの上を着せるからだ。
「やっぱ、パジャマ半分こは男のロマンでしょう」
ということらしい。
そういうことで、本日、乾の家に泊まった海堂は乾に言われるままに乾のパジャマの上を着て寝ていた。
「おはよう」
「おはようございます」
何度、乾に抱かれても、朝はどうにも恥ずかしさがあるらしく、慣れることなく海堂は真っ赤に俯く。
「あの…俺…シャワー浴びてきます」
逃げるようにスリッパを履いて、ペタペタという音を鳴らしながら、乾の部屋を出る海堂。
「少しは慣れてくれるといいんだけどね」
まあ、そこが可愛いんだけど。
と、乾は微笑ましそうに海堂を見送った後、パジャマのズボンを履いてデジカメ片手に部屋を出た。
「薫」
パシャ
「えっ?」
浴室へと続くドアの前で、乾に呼びかけられた海堂。
振り向くと、一瞬眩い光に覆われて、目を咄嗟に瞑る。
光が消えて目を開けた海堂の前に、デジカメ片手に立っている乾がいた。
「な、何…?」
「写真、あんまりにも可愛いから撮っちゃった」
「撮っちゃった…って…」
「凄い可愛いもんだからさ」
ついねと、しゃがみこんで海堂と視線を合わせる。
今の海堂の格好は、最初に話した通り、乾のパジャマの上だけを着て、猫の足型スリッパを履いている。
しかも、まだ成長期前の越前並に小さな海堂。
乾のパジャマはとっても大きくて、海堂の膝近くまであった。
袖も長いから、何重にも袖捲くりをしていた。
そんな恋人の姿が可愛く思わない男など、世の中にいないだろう。
「薫」
「っ!」
「一緒にお風呂に入ろうか?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜/////」
海堂の耳元に唇を寄せて、声に甘さを伴わせて囁く。
普通に、感情の籠ってない時の声ですら、いい声だと評判の乾の声に、たった一人しか聞けない甘さが含まれたのだから、間近で聞かされた海堂はたまったものではない。
いくら、付き合い出してから何度も聞いている声とは言え、免疫など少しも出来てるわけがなく、今の声だけで海堂は立ってられなくなってしまい、ペタリと床に座り込む。
「うわ…可愛い…」
女の子がするように、両足を外側に崩し、手は体を支えるように目の前の床につく。
パジャマの上しか着ていないものだから、今ので裾がはだけてしまい太腿が露になる。
「薫、そのまま、そのまま」
そして、そんな海堂の姿に、乾はウキウキしながらデジカメを手に撮り続ける。
「せ、先輩?」
「やっぱ、俺のコーディネートは最高だよな」
挙句に、自画自賛を始める始末で、海堂は何が何やら、どうしていいやらわからずに唖然と乾を見つめている。
「ああ、ごめん」
「い、いえ…」
「扇情的だね、その姿」
「あ!」
満足したのか、ようやくカメラを収めた乾が海堂の前にしゃがみこむ。
乾の言葉に、ようやく自分の姿を理解した海堂が慌てて裾を引っ張って、太腿を隠そうとするが、そっと乾に阻まれる。
「ダメだよ、そのまま」
「やっ」
甘く耳元で囁いて、右手で太腿をスルッと撫で上げる。
「震えてる、可愛い」
「やぁっ…」
言葉を吐き出すと同時に、海堂の耳朶を食む。
耳は海堂の弱いところの一つで、そこと太腿を愛撫されて、甘い吐息が海堂の唇から吐き出される。
「せ…っぱい…」
「もう、こんなにして…」
「あぁ…ん…」
太腿を触っていた手が、奥に忍び込む。
存在を主張し始めたモノに乾の手が絡む。
前日、夜遅くまで熱を与えられていた体は、すぐにそれを思い出して、海堂の体は簡単に乾に陥落する。
「一杯、溢れてきたよ」
「ふ、ぁ…ああっ…」
「床に零れて、恥ずかしくないの?」
「はぁん…ぃやあ…」
乾の言葉に恥ずかしがるように、乾にしがみついて首をフルフルと振る。
「どうしたい?このまま廊下でする?」
「あ…や…ココ…」
「じゃ、何処に行こうか?」
「ひぃ…っ…せ、っぱい…」
「お風呂いく?」
「い…っく…」
「じゃあ、連れてってあげるよ」
限界に近い体を持て余して、ポロポロと涙を流す海堂をひょいっと持ち上げ、乾は海堂とともに消えていった。
「可愛いの沢山見せてくれたお礼に、たっぷり可愛がってあげるよ」
「ぁあんっ…」
消える前に囁いた言葉の通り、風呂の中でたっぷりとその甘い声でもって、海堂を可愛がってあげたらしい。
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