意地悪



今日、先輩に家に来ないかと誘われた。

でも、今日はどうしても見たいTVがあったので、断った。
そしたら、先輩はムッとしたような声で

「俺の家で一緒に見たらいいでしょ」
「先輩と見たら、邪魔されるから嫌っす」

そんなことを言うから、俺はそっけなく言い返した。

けど、先輩と二人で見ると、先輩が興味のないものだったら途中で見せてもらえなくなるわけで、これが俺の家で葉末も交えて見たら、先輩も大人しくTVを見てくれる。

そう思って、俺の家でだったらと言い直そうと思ったら…

「ふーん、海堂は俺よりもTVが大事なんだ」
「なっ!そんなこと言ってないだろ」
「そう聞こえた」

一人で拗ねてしまったから、俺もその言い草にムッとして、そのまま家に帰った。

家に帰り、色々してTVが始まる10分前。
突然、携帯がなった。
見ると、メールの受信で、俺は先輩が諦めて謝ってきたと思ってあけたら

『7時過ぎたら電話する』

そんな内容が、入っていて

「TV見るっつってんだろうが」

思わずキレてしまい、即座に文句の電話を入れたが…
既に携帯の電源は切られ、家の電話線は抜かれているのか、通じなかった。

「用意周到過ぎんだよ、あいつは…」

文句の一つも言ってやりたくて、ブツブツと文句を言いながら、ソファに座る。

ぜってー、TV見てる途中でかけてくんだよ、ほんと、性格悪ぃ。
そう思っていると、TVが始まった。

いつ、かかってくんだよ…
電話がかかってくると思って、マナーモードに設定した携帯を持ちながらTVを見ると、どうしても意識が携帯に…というより、先輩に言ってしまい、結局。TVの内容はほとんど頭に入ってこなかった。

その上、電話はかかってこずに。TVが終わって数分後

『…というのは、嘘』

新たに送られたメールに、ブチ切れた。

が…
やっぱり、先輩は用意周到で繋がらず、30分以上頑張って、疲れてソファに寝転んだ直後、見計らったように新たなメールが入る。

『ずっと、俺のことだけ考えててよ』

「なっ…」

メールの言葉に、俺はあきれ返って、怒りもどかに吹き飛んでしまった。
そして…

「バカだな、あいつ。あんたのことしか考えてないっつーの」

結局、胸にこみ上げてきた幸せな気持ちに逆らえず

「先輩んとこ行ってくる」

俺は先輩の家までの道を走っていった。

Fin