見渡す先にあるのは、荒野だけだった。
何もなかった
何もないのだと思い込んでいた
癒す水も、通る人すらいない荒れた地
ただ、砂塵だけが吹きすさぶ広大な空虚だけがそこにあった
「そんなの、アンタの勝手な思い込みだろ」
雫が一滴
荒野に紛れこんだ、哀れな子羊
「何も見えてねぇんだよ」
どうして、君はこの荒れた地を迷うことなく徘徊できるのだろうか?
両手に掬った水を、大地に潤して
「誰も入ってこなかったんじゃねぇ」
芽吹いたばかりの緑を植えて
整えられた地は緑に覆われて
雫は溜まり、泉が出来
「アンタが誰も入れさせなかったんだ」
荒んでいた地は、緑に覆われた世界へと
優しい人たちが癒される大地へと変貌した
「皆、待ってんだ」
見渡す先にある、荒んだ大地
あまりにも広くて気付けなかった真実
「ずっと、アンタが入れてくれるのを」
この荒野に足を踏み入れようとしているもの存在がいたこと
「有難う」
君がいなければ、気付けなかった
君が頑張ってくれたから
「俺、一人じゃ何も出来なかった」
このまま、この地を眺めていただけだろう。
だから
「これからも、道先案内人でいてくれるかな?」
「……仕方ねぇな」
俺の気付かない真実を知っている君と
君の知らない真実の中で生きる俺
二人で一緒に、たくさんの一人じゃ気付けなかった真実を見に行こう
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