レギュラー落ちしていた頃にやり始めたコーチ役は、レギュラー戻ってからも健在の乾。
今日も、手塚や大石と一緒にコートの片隅でメニューつくりの相談をしている。
それに不満を隠さない海堂。
それでも、練習中でコートで打ち合ってるために、そちらに意識を集中させているが、いつもより気迫があるのは仕方ないことだろう。
「はいはーい、海堂。交代、交代」
「っす」
海堂の番も終り、菊丸がコートにやってきた。
海堂は入れ替わりにコートを出て、そのまま真っ直ぐに首脳会議に向かっていく。
「先輩vv」
「海堂、どうかした?」
「邪魔しないんで、いていいっすか?」
「いいよ」
ペタッと乾の腰に抱きついて、上目遣いでおねだりする海堂に乾も自然と頬がゆるむ。
「…乾…」
「どうした大石?」
「いや、何というか気になる…」
「そうか?」
「それに、視線が痛いんで出来たら…」
「ああ菊丸か、お前もしてやればいいんじゃないか?」
「いや、それはちょっと…」
「俺もしたいぞ」
「て、手塚?」
「桃城!!さあ、来るがいい!!」
「遠慮します」
「何故だ、桃城ー」
「大石〜vv」
「うわ、英二、やめっ」
「どうして?海堂も桃もしていいって言われてるのにー」
「だから俺は断ってるじゃないっすかー」
海堂を見て我慢できずに大石に飛び掛ってきた菊丸に、飛びついてこない桃城に痺れをきらして自分からいってしまった手塚。
首脳会議は瞬く間に続行不可能な状態に陥った。
「これじゃ、これ以上は無理だなー」
「すみません」
「ん?海堂が謝ることないよ」
「でも…」
「海堂はちゃんと大人しくしてたじゃないか」
「先輩vvじゃあ、これからは一緒にいてくれます?」
「ああ、今日はもう話し合いどころじゃなさそうだからね」
「じゃあ、じゃあ…一緒に打ち合いしてくださいね」
「いいよ」
「ダブルスも一緒に組んでくださいね」
「今日はね」
「後、後、練習も見てくださいね」
「勿論」
「それから、一緒に帰って…」
「いいよ」
「先輩、一緒にお風呂も…それに…」
「じゃあ、泊まる?」
海堂の言葉に躊躇せずに頷いていく乾。
嬉しそうにどんどんとおねだりする海堂に乾が最後の言葉を引き継ぐように問いかければ海堂が嬉しそうに首をぶんぶんと振る。
「先輩、絶対っすよ」
「うん」
「約束っすよ」
「はいはい」
グリグリと自分の頭を乾に押し付けて、約束を嬉しそうに取り付ける海堂に乾は苦笑混じりに頷いた。
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