感情<愛情



「俺、物真似出来るんですよ〜」

元気に部活に出始めた桃が、不二と菊丸の傍によって言い出したのは、そんな言葉。
まだ、部活の始まる時間よりは早く、レギュラーもまだ全員揃ってなかった。
この時点でいたのは、菊丸・不二と大石の三人だけだ。
残りのメンバーは委員会や掃除などで遅れていた。

「誰の?」
「本当に似てるんか?桃」

桃の言葉に不二と菊丸がのってくる。
やっぱ、先輩たちはこういうの好きだと思ったんですよ。
と桃は、ガサゴゾとポケットの中を探る。

「ねえ、桃誰のだよ〜?」

ワクワクとした様子で聞いてくる菊丸を制止、さっとラケットケースの中から、ノートを取り出す。

「桃、もしかして…」

桃の出したノートを目にして不二が呟く。

「さっすが、不二先輩」

そう言って、桃はポケットの中から黒縁の眼鏡を取り出す。

「乾の物真似か〜」

それを見た菊丸が楽しそうに叫ぶ。
その声で、その時、部活に出てた部員たちが視線を向ける。
その中、桃は

「当たりっす。いきますよ」

楽しそうに、乾の物真似を始めた。
眼鏡をかけて、桃と書いたノートをパラパラと捲る。

「データを入れてください…」

ロボット調の口調でそう言って、眼鏡の位置を直す。
その桃の物真似に

「に、似てる」

菊丸と不二は涙を流して笑っていた。
桃の後ろ、面白いけれど笑うのはとこらえていた大石の目の端に、同じレギュラージャージが目に入る。

「……」

コートの向こう、桃の背中の向こうの木の横。
委員会が終わってクラブにやってきた乾がいた。
乾の存在に気づいたのは大石だけらしく、良識人の大石は桃を止めようと口を開きかける。
が、大石の視線の先、乾が口元に人差し指を持っていく。
どうやら、黙ってろということらしい。
乾は一度、踵を返して部室へと戻る。
大石が黙って様子を見守っていると(見守るしかない)、すぐに乾が戻ってくる。
足音を立てずに、歩いてくる乾に気づいたのは、一般部員たちだけで、彼らは乾の姿を認めると、笑いを引っ込めそそくさと練習に戻っていった。
乾のいるほうを向いていない、三人に気づかれることなく桃の後ろにたった乾。

「楽しそうだな」

桃の首に腕をまわして、グイッと締め上げる。

「…乾…先輩…」

その声に、誰か気づいた桃が蒼白な顔で呟く。

「中々、面白いことしてくれるじゃないか」

そのまま体勢を変え、ヘッドロックに持っていき、空いてる片手から何かを出す。

「物真似のお礼だ、有難く受け取れよ」

口角を上げて笑う乾に、桃は嫌な予感を感じて、そこから離れようとジタバタするが、海堂の倍以上の練習をしていた乾はビクともしない。

「スイマセン…グッ…」

謝ろうと口を開いたところ、グイッと顔を上に上げさせられて何かを飲まされる。
途中、口を閉じることを許されることなく飲み干す羽目になってしまったソレは、未だ飲まずに済んでいたハズの野菜汁で、

「っ〜」

壮絶な不味さに桃城は水のみ場へと駆け出したくてしょうがないのだが、勿論、そんなに乾は優しくはなく、わかっていながらその手を離す気はない。
それどころか、

「スペシャルプレゼントだ。たっぷりと両方、味わってくれよ」

そう言うなり、無理やり桃城の口をこじ開けて、次はペナル茶を流し込んだ。

「う〜っ」

さっきの不味さと違い、次に襲ってきたのは壮絶な辛さで、さっきまで蒼白だった顔が一気に火を噴きそうなほど、真っ赤になる。

「どうした?桃」

ジタバタと暴れる桃城を何なくかわし、楽しそうに乾が訊ねる。
その様子は、さながら地獄絵図のようだったと、後にとある部員が語ったらしい。
絶対に、この人だけは怒らせないぞ…
その様子を眺めていた部員たち、共通の誓いであった。
しかし、この様子を眺めていたものの中に、桃城を羨ましく思う、奇特な存在が若干一名いた。
その人物は、掃除当番のため、いつもよりも遅く部活に来ることになった海堂だった。
海堂は早く部活に出ようと走ってきたおかげで、本来より早めに来ることが出来、大石の後ろ側で偶然、桃城の物真似シーンを目撃してしまい、そこから動けなくなってしまっていたのだった。

「へぇ〜、桃先輩上手っすね」

図書室の整理を手伝わされていた越前が、海堂の横で呟く。
海堂は横の越前を一瞥した後、

「似ててたまるか」

吐き捨てるように呟いて、視線を前に戻した。

「先輩、もしかして桃先輩に負けてません?」

海堂先輩じゃ、乾先輩のマネ出来ないでしょう?
クスっと笑って口を開く越前を海堂は睨みつける。

「あんな奴に負けてたまるか!!」

キッと前を向きなおして宣言する海堂に、越前がほくそえむ。

(一番近くにいる俺のほうが…)

まんまと越前に乗せられた海堂が小さく拳を握り締めて、心の中で呟く。

(あいつにだけは負けられねぇ)

目の前でジャレ(海堂の目にはそう映ってる)あってる乾と桃城に、

(乾先輩は渡さねぇぞ)

密かに、宣言している海堂だった。


本日は平日で、明日もまだ平日。
そういう時は、海堂も家に帰っているのだが、珍しく海堂は自分から乾の家に泊まりたいと言い出した。
明日も学校と部活。
そういう状況で海堂は乾の家にいくのを嫌がるにもかかわらずである。
何だ?
乾は海堂の申し出に何かあるのだろうかと考えたが、どうあってもその申し出が自分にとってみれば嬉しいことであることに代わりはないので、あまり深く追求してやめると言い出されても困るので、二つ返事で返した。
乾の家に泊まることになったので、二人は学校で今日の分の自主練を終わらせる。
そのまま乾の家に直行して、二人で仲良く夕飯作り。
新婚夫婦のように仲良く作った夕食を他愛のない話をしながら平らげて、またもや仲良く皿洗い。

「海堂、風呂だけど…」

皿も洗い終わり、お湯もはれたところで、風呂場から戻ってきた乾が声をかける。

「あっ、俺、家に電話しますんで、先に入っててください」

今日、ここにきた目的を実行するために、適当な理由をつけて乾をお風呂に向かわせようとする海堂。

「待ってるよ」

一緒に入る気らしい乾に、海堂は

「髪洗って欲しいんで、先に入って自分の髪とか洗っててください」

ボソッと乾の耳に唇を寄せて囁く。
カァッと紅くなった顔を隠すように、俯けば

「体も洗ったげようか?」

と楽しそうな声が、耳元に聞こえた。
その言葉により真っ赤になった海堂を満足そうに眺めた乾だったが、

「じゃ、待ってるよ」

これ以上、海堂を苛めて機嫌を損ねられては元も子もないので、海堂の頭をポンポンと叩いた後、そう言って、部屋を後にした。
そして、残された海堂はというと…
恥ずかしさは消えないものの、計画の実行のために乾がお風呂に入ったのを確認するためにドアに近づく。
確認出来た後、海堂は乾の部屋に入り、ある物を探し始める。
ねぇぞ…
普通ならありそうなタンスの中や、ベッドの下などをガサゴゾと探しだすが、目的の物は見つからない。
仕方ねぇ、先に…
どんなに探しても見つからないので、海堂は乾のカバンの中に入ってるだろう、今日、桃城がつけていた眼鏡を取り出そうとする。
あの時、きっちりと二度と桃城が物真似できないように取り上げていたのを、海堂は知っていたからだ。
乾のカバンを開くと、そこにその眼鏡とともに、海堂が探していたものが入っていた。
うしっ!!
乾のカバンの中から、勝手にそれを拝借して自分のカバンの奥に詰め込む。
後は、乾の机の引き出しから、まだ使われていないさらのノートも失敬して、カバンに詰め込んだ。

「よし」

目的を達成することが出来た海堂は、母親の携帯のメールに今日泊まることを書いたメールを送り(電話なぞをしようものなら、その後、乾に変われと迫られて、変わった後は、延々と乾を離さないのが目に見えているためだ)、海堂も乾の部屋に常備してある自分の着替えを持って、

「髪と体、洗ってもらえんだってvv」

滅多にみせない乾限定の、照れたような笑顔を浮かべて、お風呂場へ直行したのだった。


次の日
午前中、体育の授業がある乾は、教室で頭を悩ませていた。
昨日、確かに入れたんだが…
カバンの中に入れたはずのジャージを出そうとして、手が止まる。
確かに昨日、夕食の後に今日の用意をしたさいに入れたジャージが入ってないからだ。
何度、思い返してみても入れた覚えのあるソレの存在がないことに不思議に思うが、流石に、そのまま考えてる時間もなく、乾は教室を出る。
こっからだと、河村に頼むか
自分のクラスから一番近くて、サイズも問題ないだろうと思われる河村の教室に向かう。
ないいじょうは誰かに借りないといけないためだ。
河村のクラスについて、教室を覗き込むが河村は席を外していたようで、そこにはいなかった。
仕方ない…
着替える必要があるので、あまり時間を無駄に出来ない乾は、次のクラスへと向かう。

「手塚」

乾のいる3-11から一番離れたクラス、3-1まで乾はやってきた。
教室を覗いて、そこに目的の人物をみつけた乾がその名を呼ぶ。

「乾か、どうかしたのか?」

乾の声に気づいた手塚が、乾の横に来る。

「悪いんだけどさ、ジャージ貸してくんない?」
「…忘れたのか?」

珍しいこともあるものだと、手塚の口調が語る。
それに乾は苦笑して見せて、

「どうだろう?」

と、曖昧な返事を返した。

「……」

その返事に対し、手塚はチラッと乾の横顔を見た後、溜息をついて、自分のロッカーに向かう。
手塚と話すときの乾は、誤魔化したり、嘘をつくことなく話すことを手塚は理解していたので、さっきの乾の言葉が誤魔化す為のものでなく、事実であることを知っているので、手塚はそれ以上、追及しなかった。
自分のロッカーから、ジャージを取り出し、乾に向かって投げる。
放物線を描いて落下してくるジャージを受け止めて、

「サンキュ」

手塚に手を振って、更衣室へと向かった。


放課後
昨日に続いて、今日も部活にいくのが遅れる乾。
他のメンバーは本日はいつも通りのはずが…
コートにはレギュラーが5人。
乾を引いても、後二人足らない。
その二人とは、海堂と越前の二人で、その二人はと言うと、まだ部室に残っていた。

「ほんとにするんっすか?」

イソイソとカバンの中から、学校指定のジャージを取り出す海堂を見て、越前が面白そうに話しかける。

「バカ桃には、負けねぇ」

本来なら、レギュラージャージに着替えるはずの海堂だが、取り出した学校指定のジャージに着替えて行く。
乾の部屋から失敬してきた、彼愛用の無地のTシャツを着て、彼のジャージをはく。

「どうせやるなら徹底的にだ」

自慢するように越前にそれを見せる海堂。
そのどう見ても、海堂が着るには大きなブカブカのTシャツと長いズボンに

「それ、乾先輩のっすか?」

呆れたように訊ねる。
海堂はそれに答える変わりに、ジャージを羽織り、越前に名前が書いてるところを見せる。
そこにはきっちりと「乾」と書かれた刺繍がしてあった。

「借りたんすか?」

「いや、勝手に持ってきた」
越前の言葉に、サラリと返す海堂。

「それ、バレたら怒られません?」

流石にまずいんじゃないかと思った越前が問うが、

「あの人、俺には怒んないぞ?」

と、惚気られてるのだろうかと思ってしまうような返事が返ってきた。

「そうっすか」

呆れたように呟く越前をよそに、海堂は昨日、桃城が使っていた眼鏡をかけ、ノートを脇に挟む。

「出来たぞ」

用意万端と越前の前に立つ海堂に

「それ、熱くないっすか?」

と、海堂が着てるジャージをさす。

「…熱い」
「じゃあ、脱いだら?」
「……」

越前の言葉に、海堂は少し口籠る。

「海堂先輩?」

不思議そうに問い返す越前の耳に、小さな声が届く。

「だって…さ…」

ジャージの前を掻き抱くように片手で握る海堂。
顔は朱に染まっている。

「コレ…先輩の匂いがすっから…」
「もう、好きにしてください…」

ずるっとついていた肘から顔がずれた越前が呟く。

「俺は、行きますよ」

やってられるかとばかりに溜息をついて、部室を出ようとする。

「おい、待てって」

諦めたようにジャージを脱いで、越前の後を海堂が追いかけてきた。
そして、二人でコートへと向かっていった。
一人は楽しそうに、もう一人は恥ずかしそうに歩いていった。


「ん?」

あれは…
なんだかぎこちない足取りと、浮かれたような足取りの二人組みの後ろ。
掃除が早めに終わり、部室へとやってきた乾。

「海堂…?」

学校指定のジャージを着ている海堂を見つける。
何やってんだ?
ジャージを忘れたのだろうかと思いながら、部室へと入っていく。
それにしても、あれ大きかった気がするんだが…
どうにもブカブカな格好だった海堂を思い返してみる。

「まさか…」

あることに思い至った乾は、速攻で着替えて部室を後にする。
あまりにも急いでいた為、ジャージの下にTシャツを着込むのを忘れていたほどの早さだった。

「やっぱり…」

昨日の桃城を見つけたときと、同じ木のところでコートの様子が確認できる。
既に始まっていたそれに、複雑な表情で乾は呟いて、歩き出した。


少し遡って、
コートについた越前と海堂。
ダーッと勢いよく走って、昨日の桃城の位置へと移動する。

「レディース&ジェントルマン…って、ジェントルマンだけか…」

流暢な英語でもって、越前が声をあげる。
何事かと視線を向けた先、越前の横にいたのは…

「海堂…?」
「何?薫ちゃんも乾のマネ?」
「へぇ、頑張って海堂」
「似てるわけねェだろうけど、頑張ってみれば」

学校指定のジャージに眼鏡をかけ、ノートを持った海堂に、レギュラー+1からの暖かい声援が飛ぶ。

「本日は、海堂先輩による乾先輩の物真似をお披露目させて頂きます」

声高々に、越前が宣言する。
どうしよう?
皆の視線にさらされた中。海堂の心拍数は異常に高まっていく。

「では、海堂先輩どうぞ」

越前が1歩後ろに下がる。
は…恥ずかしい…
大体、物真似って何するんだよ…
緊張のあまり、何をどうしていいやらわかずに、固まっている海堂。

「やっぱり、出来ねぇじゃねぇか」

そこに桃城からの野次が入る。

「やっぱ、桃先輩の勝ちですかね?」

桃城の言葉に反応した海堂を見て、越前が追い討ちをかけるように口を開く。

「んなわけ、ねぇだろうが」

見事にその言葉に反応した海堂が越前に向かって叫ぶ。
負けるか!!
乾先輩は渡さねえ!!
自分を叱咤するように心の中で宣言する海堂。
頬を朱に染めながら、左手を眼鏡に伸ばし、右手でノートを広げる。
そして…
何か言わないと…
行動に出たのはいいが、まだ混乱している海堂は何を言っていいのかわからずに口を開けたり閉じたりする。
思い出せ
いつも先輩が言ってる言葉とか……
先輩の口癖っていったら……
混乱をきたしてる頭の中、一生懸命に乾の言いそうなことを思い出す。
そして、不意に脳裏に蘇った乾の声

「薫…愛してるよ…」

いつもより低めの声で囁く言葉をそのままに、口に出していた。

「……」

シンとする男子テニス部。
かって、ここまでこの部が静かになったことがあっただろうか?
というほどの静けさを誇っていた。

「えっ…俺…あっ!!」

一番最初に我に返ったのは海堂本人で、思わず呟いてしまった言葉に全身を真っ赤に染める。

「ふ〜ん、乾ってそんな風に囁くんだ」

真っ赤になってワタワタしてる海堂に、不二がニコニコと笑いながら話しかける。

「薫ちゃんってば、大胆」

菊丸が楽しそうに目を細めながら話す。
大石、河村は海堂と同じように顔を紅くしながらオタオタしている。
無表情な手塚と言えば…無表情なまま、他の部員たちと同じように凍り付いていた。
そして、桃城、越前はというと、案外、うぶらしく真っ赤な顔で俯いていた。

「いつも、言ってもらってるの?」
「いや…その…」

不二と菊丸に問い詰められて、恥ずかしさとあいまって半泣きになっている海堂。
そんな海堂を救う(救ってないかも)神あり…

「薫、愛してるよ」

きっちりと全て聞いていた乾が、いつの間にか海堂の後ろに来ていたのだ。
後ろから海堂を抱きしめて、耳元でいつもより低めの声で愛の言葉を囁く。
折角なので、わざと周りに聞こえるように…

「おおっ、似てる〜」
「中々、海堂もやるね」

もうこれ以上はないというくらい真っ赤になって俯く海堂に、不二と菊丸が楽しそうに声をかける。

「乾の物真似対決は、海堂の勝ちかな?」

不二が楽しそうに乾と海堂を見つめながら言うと、

「まあ、あれを出されちゃぁね」

と、菊丸が相槌を打つ。
この対決、海堂の勝ちということで決着はついたようだ。

「なあ、海堂。それ、俺のジャージだよね?」

これも?
と、皆の前で、海堂を抱きしめたまま訊ねる。

「凄いね海堂」
「流石だにゃ〜」

感心したように二人が呟く。
心の中で、自分たちもしようかなと思っている。

「頼むから、変なことは考えないでくれよ。英二」
「不二には、大きすぎると思うから…」

何となく嫌な予感を覚えた二人のダーリンたちが、予防線を張る。
まあ、ダーリンたちよりもハニーたちのが強い、おしどりカップル二組。
どうなるかは、目に見えてるのだが…

「…スミマセン」

視線を乾の腕あたりにさ迷わせながら、海堂が謝る。

「いいよ。今日、体育あったから、流石にびっくりしたけど」
「えっ?」

乾の言葉にびっくりしたように顔をあげる海堂。
そこには、苦笑を浮かべた乾がいた。

「体育、あったんですか?俺、知らなくて、ほんとにスミマセン」

徐々に悲壮な表情になっていく海堂に、乾は宥めるように髪を撫でる。

「気にしなくていいよ。ジャージは手塚の借りれたから何とかなったし」
「でも…俺…」

こんなことのために、先輩を困らせて…
その事実が、海堂には辛いことで、みるみるうちに泣きそうな表情になっていく。

「じゃあさ、お詫びに今日も泊まってってくれる?」

泣かないように海堂の頬を指で撫でながら、乾が問う。

「今日のお礼に、たっぷりと可愛がったげるよ、薫」

海堂の耳元で、今度は誰にも聞かれないように小声で囁く。

「……」

その言葉に、恥ずかしそうに目元を朱に染めた海堂は、俯きながらもしっかりと一回頷いた。


次の日、男子テニス部では、
ラケットを持って二人で、バーニグと叫ぶ、不二&河村。
何とかして、大石の髪型を真似できないか悩む菊丸と、頭を抱えて胃を押さえ、それを止めようとする大石。
そして、レギュラージャージをきてコートにたつ、乾を見つめながら部活を見学していた海堂の姿が見られたとか……
どうして、海堂が見学なのかは、皆さんのご想像にお任せするということでvv

Fin