『あなたにとって何が幸せですか?』
「それは勿論、貞治と添い遂げることに決まっておる!!」
「死ね」
<サクリ>
真田に絶叫に、冷酷な声が降りかかる。
と同時に、柳の持つ真田家家宝の宝刀が振り下ろされた。
「おい、日本って刀を持ってたらいけない国じゃなかったのか?」
「普通なら銃刀法違反で捕まりますね」
「普通ならね…あの参謀がそんなヘマなんかせんじゃろ」
「てか、誰があの柳先輩を捕まえることが出来るというんですか?」
「そんな勇者、いるなら見てみたいよなー」
コート一面血の海の横で、立海レギュラーが和やかに…若干一命を除いてだが…談笑しているが。内容は恐ろしくて他の部員たちが遠ざかってしまうようなこと。
「大体、その貞治っていうのは柳の幼馴染じゃないのか?」
「違う、違うぞ、ジャッカル!!」
「真田君、まずは止血して下さい」
「貞治は、俺と未来を誓い合った……」
「その迷惑極まりない妄想を止めろ」
<ザシュ>
ジャッカルの最もな質問に、まだ生きていたらしい真田が詰め寄る。
そして激しく勘違いした言葉を吐き出しそうになった瞬間、気配すた消えた柳によって一刀両断された。
「弦一郎はな、神に全てを与えられた代わりに、人として一番必要なものは奪われて生まれてきたんだ」
「…柳の口から、神?」
「ジャッカル、そこ突っ込むと斬られるぞ」
「ジャッカル、お前の屍は無事ブラジルに届けてやる」
「うわ、待て。俺が悪かったから」
「ジャッカル、骨は拾ってやるぜよ」
「お前ら止めろ」
「無理です。皆、自分の命が惜しいんです」
キラリとジャッカルの目の前で刃が光る。
他のレギュラーは半径1m離れた所で野次だけを飛ばしていた。
全員、自分の命が惜しいらしい。
「俺が悪かったから、とりあえず、俺の最初の質問に答えてくれないか柳?」
「……仕方あるまい」
刃がようやく鞘の中へと納められる。
それにジャッカルはようやく生きた心地がついたと、溜息を吐いた。
「こっちに引っ越してきて、弦一郎にあって…つい、貞治の話を聞かせてやったのが悪かった」
柳の滅多に開かれない目が、その細められたまま、すと空を仰ぐ。
「一度、家に来たときにアルバムを見せてやったら、あのバカ……よりにもよって、写真の貞治に一目ぼれしやがった!!」
「柳……人が変ってるって……」
「挙句に、あいつの脳内は都合のいいように出来ているらしくてな……」
「誰か、助けてくれ……」
「「「「無理!!」」」」
「勝手に、貞治の幼馴染を俺から自分に変換しやがった」
「…………」
「本当、真田ってバカだよな」
「あれで常識があったら、完璧な人なんですけどね」
「そんなんあったら、真田じゃないぜよ」
「真田副部長も一回、入院したらどうっすか?」
重い存分憤慨する柳の話しに、呆気にとられてしまうジャッカル。
そんなジャッカルをあざ笑うかのように、残りのレギュラーはケラケラと笑っている。
柳は言い切ってすっきりしたのか、ふぅと息を吐いて、いつも通りに戻っていた。
「以来、弦一郎にアルバムを見せてはいないし、貞治の話も二度としていない」
「そうか…」
「だというのに、よりにもよって決勝まで上ってきおって…」
「……青学か……」
「決勝で思い出したが、オーダーを組んだぞ」
「弦一郎、貴様がS3でどうする。痴れ者が!!」
<グサッ>
関東大会決勝の話しになって、また生還してきた真田がオーダー表を持って立ち上がる。
内容を一瞥した柳が、迷うことなく刺す。
「幸村君がいないのに、真田君がS3は問題でしょう」
「一応、真田は帝王なんじゃからのう」
「帝王はどどんとS1でふんぞり返ってなよ」
「部活に私情を挟みおって」
「柳、勝手に変えていいのか?」
「変えなければ、弦一郎がS3で出て行くぞ?」
「…そうだった…」
「どっちにしろ、俺はS2のままなんっすか?」
「不満か、赤也?」
「と、とんでもない。光栄っす、柳先輩」
サラサラと柳の手によって、S1とS2の名前が書き換えられていくなか、ポツリとつぶやいて切原の言葉にピクリと柳の眉があがり、鞘の隙間からキラリと刃が光る。
それを見て、切原が慌てて首を横に振る。
「オーダーはこれで文句ないな」
「蓮二、俺の許可なく…」
「貴様の許可なくとも、幸村の許可は取っているわ」
<ザクリ>
なぜか、まだ立ち上がる真田の額に刀を突き立て、幸村から受け取った許可書をヒラリと取り出す。
「流石、参謀。手は全て打ってあるってね」
「こんな真田君、他校や報道関係者には絶対に見せれませんね」
「実は、最下層男じゃってか」
「今日、井上さん来る日じゃなかったですかね?」
「早く言え、赤也。柳、とりあえずそれ収めろー」
切原の言葉に、慌てるジャッカル。
他のレギュラーはもう余興も終わりかと、それぞれ自分のメニューにへと戻っていった
「…っくっしゅん」
「先輩、風邪っすか?」
「いや、誰か噂してるのかな?」
「噂…先輩の…」
「こら、薫。そんな怖い顔はしない」
「俺の先輩なのに…乾先輩は、俺のだから、人の許可なく勝手に噂すんなー!!」
「薫、落ち着こうな」
あなたにとって何が幸せですか?
幸せは人それぞれ
周りから見れば、はた迷惑な行動でも
本人にとっては、それが何よりも幸せなこと
「あれが幸せでいいのか?」
「真田副部長が十分そうだから、いいんじゃないっすか」
「貞治、どんな邪魔が入ろうとも俺はお前と…」
「貞治に近づく虫は、全てこの刀の錆にしてくれる」
「良い子の皆さん、くれぐれも柳君の真似はしないで下さいね」
「真田のよになあってもダメぜよ」
「どっちも誰もならないって;;」
という、突っ込みはおいておいて…(笑)
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