俺、桃城 武。
本日より、憧れの青学の男子テニス部の部員になりました!!
「…ああ、わりぃ」
どうやら浮かれすぎてたようだぜ。
人のバンダナ踏んでたのも気付いてないなんてな。
「てめぇ…」
バキッ
「……(ハフ)…って…何すんだよ」
ハフ?
ハフってなんだ?
俺、今、殴られたんだぞ。
ちゃんと謝ったってのに、睨まれて即座にバキッと殴ってきやがったんだぞ。
いってーだろ。ムカツクだろ……
……でも…ちょっと……気持ち…いい?
いいっ!?
よくねぇ、よくねぇよ。
俺、何考えてるんだ?
そりゃいけねぇよ、いけねぇな。
ともかく、売られた喧嘩は買うぜ!!
また殴られかもしれないしvv
………はっ!!違う・違う。
そんなこたぁ、俺はこれっぽっちも思ってねーからな。
「お前たち、やめないか」
え、もう終り?
折角、いい気分で殴られ……って、違う・違う。
「おい、大丈夫か?」
「大丈夫…じゃないかも…」
「え?」
「な、何でもないっす」
何か俺、おかしいぞ。
本当に大丈夫か?
「今日は大人しくしてるか…」
疲れてるんだろうな、疲れてるんだよ。
明日になったら、戻ってるさ。
「よぉ、マムシ」
「ああ、何て言いやがった、てめぇ…」
俺、何やってんだろう……
気付けばついつい、海堂の奴に喧嘩ふっかけちまってる。
こいつもマムシって言えば、すぐにのってくるからそれがいけねぇんだよな。
「やんのかコラァ」
でも、こいつ喧嘩慣れてんだよな。
そのせいか、俺のが圧倒的にボコにされて……
挙句に副部長の手塚先輩に見つかって、罰走させられて……
……し・あ・わ・せvv
って!!
待て、ちょっと待て俺!!
何で、そこで幸せなんだよ!!
俺、本当にどうしちまったんだよー(泣)
「ハァ…」
やっぱり毎日、何故か喜んで海堂に喧嘩をふっかけちまう。
副部長の姿を見るたびに、何周走らされるかとドキドキしちまう。
俺って、もしかして……
いやいや、そんなわけあるはずがねぇ!!
「桃城」
「あ、乾先輩」
何だ?
乾先輩っていやぁ、海堂の世話係だよな?
それ以来、海堂との喧嘩率が少し減って、寂しいっていうか…物足りない?
……ああっ!!違うだろ、俺!!
「ちょっといいかな?」
「はい」
何だ、何だ?
何だか、先輩の背後から不穏な空気が……
いつもは飄々としてて何考えてるのかわかんねぇとこある人だけど…
何だか、期待大(ウットリ)
期待?この場合、不安じゃなのか?
何で俺、期待してるんだろう。
すげー、心臓が煩くなってきたぜ。
「ここでいいか」
「はぁ?」
ここって部室?
あれ、鍵は?
鍵かかってるはずだよな?
「合鍵持ってるからね」
…っ!!
俺、声に出してねぇよ。
こえー、何でわかったんだろう?
「そんなことよりも、桃城」
「っ、はい!!」
「お前、ちょっと海堂にちょっかいかけすぎ」
「え?」
「あれ、俺のだから。ちょっと遠慮してもらえる」
「俺のって…え?ええっ!?」
「流石に寛容な俺でも、ちょっと腹立つよね」
ううっ、先輩なんか恐い。
恐くて…素敵vv
だー、そうじゃないだろう!!
「い、乾先輩?」
「いい加減、海堂にちょっかい出したくなくなるようにしとうかとね…」
それって、それって…
俺、命の危険ってやつですかー?(ニコリ)
ああ、どうしよう。ゾクゾクしてきた。
これが恐怖ってやつか?(違います)
「大丈夫、バレないようにやっとくから」
「…………っは…ハフーン……」
せ、先輩凄い…vv
海堂も副部長も目じゃないっす!!
もう、俺・俺……
「海堂にちょっかいだしたら、どうなるかわかった?」
「っす」
よくわかりました。
先輩の凄さも、海堂との関係も……
その上で、先輩、俺無理っす。
したくなかったけど、自覚しちまいました。
俺ってば、俺ってば……
「…Mだったんだな…」
先輩、俺すげーよかったです。
もう、先輩のもつ悪夢のような恐怖も、実際に与えられた苦痛も……
最高に気持ち良かったっす。
だから、だから…
「やめらんねぇよ、やめらんねぇな」
海堂に喧嘩ふっかけたら、それだけでもそれなりに気持ちいいってのに……
副部長からの罰走が待ってるというのに……
その上に、いつか先輩からのコレがまたやってくるのかと思ったら……
「止めらんねぇぜ!!」
てことで、今日も俺は元気に海堂に喧嘩ふっかけて殴られて…
「マムシーvv」
「言うなってんだろ!!」
バキッ!!
「桃城・海堂、グラウンド20周」
副部長に走らされて……
「桃城、ちょっとおいで…」
そして、そして……
何回かに一遍は、乾先輩に呼び出される。
「ハフーンvv」
今日も元気に俺は、幸せを満喫している。
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